「狭小住宅のつくり方」(⑨収納アイデア編)

2020.07.26

東京の住宅事情を考えると、地方にくらべて敷地は狭く、建築条件も厳しいケースがほとんど。しかも、土地形状が正方形であることは珍しく、「狭さ」や「形状」に頭を悩ませているひとも多いのではないでしょうか。そこで、狭小地でも失敗しない家づくりのポイントをまとめたコラムを不定期連載にてお送りします。第9回目は「収納のアイデア」について。

目次

収納問題解決の第一歩は「空間=床面積」の考えを捨てること

狭小住宅をつくる上で、頭を悩ませるのが「収納」について。収納スペースを上手に確保できずに困っている、という声をよく耳にします。この背景には「限られた空間に収納スペースをつくる」→「居住空間に影響が出る」という考えが存在します。しかし、「空間=床面積」という図式から抜け出すことができれば、意外とシンプルにこの収納問題は解決できるかもしれません。

例えば、「空間=建築物の立方体」と捉えると、そこにはアイデアや工夫をたくさん応用することができます。今回の『狭小住宅のつくり方(⑨収納編)』では、そんなアイデアや工夫を実例とともにご紹介していきましょう。

建物の構造を利用した収納事例

建物を設計していく過程で、すみずみまで見直してみると、いわゆる「デッドスペース」と呼ばれている余白を見つけることができるでしょう。その空間を収納として無駄なく利用することで、居住スペースを最大化することができます。しかし、この点は建物の構造に関することなので、ユーザー自身がみずから気が付くことはなかなか難しいもの。積極的にデッドスペースを活用できる提案をしているかどうかは、建築会社の提案力や力量に左右されるかもしれません。

〈基礎を利用した収納〉

〈階層の隙間を利用した収納〉

〈小屋裏を利用した収納〉

〈構造壁ではない壁厚を利用した収納〉

空間を創作する収納

平面ではなく、立体的な空間を利用することで、デッドスペースを収納として上手に活用することが可能になります。

〈小上がり和室の畳の下を利用した収納〉

〈駐車スペースの上部を利用した収納〉

〈天井の高さを下げたロフト空間を活用する収納〉

〈スキップフロアの下に設けた収納〉

〈マンションでも叶えられる床下収納〉

手仕事・技術力が光る収納

デッドスペースを職人の技術とアイデアで収納スペースへと変化。

〈ワークスペースと組み合わせた収納〉

〈造作家具による動線に優れたキッチン背面収納〉

〈ライフスタイルに合わせた個性的な収納〉

〈スッキリ収納で空間に広がりを〉

狭小住宅で収納を設計する際の工夫はいかがでしたか? 限られた空間をどう工夫して収納を確保するか考えることは決して簡単ではありませんが、ここが建築会社の腕の見せ所とも言えます。コンパクトで豊かな暮らしを叶えるために避けて通ることはできない『整理整頓』。この記事が、そのベースとなる収納について考えるきっかけになりましたら嬉しく思います。

「狭小住宅のつくり方」(①建ぺい率編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(②中庭編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(③容積率編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(④北側斜線編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(⑤手仕事編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(⑥可変性編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(⑦抜け感編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(⑧光と風編)はコチラ
「狭小住宅のつくり方」(⑩空調編)はコチラ

「狭小住宅のつくり方」(⑪間取り編・最終回)

狭小地の住宅の実例をみる

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