「狭小住宅のつくり方」(⑤手仕事編)

2020.02.23

東京の住宅事情を考えると、地方にくらべて敷地は狭く、建築条件も厳しいケースがほとんど。しかも、土地形状が正方形であることは珍しく、「狭さ」や「形状」に頭を悩ませているひとも多いのではないでしょうか。そこで、狭小地でも失敗しない家づくりのポイントをまとめたコラムを不定期連載にてお送りします。第5回目は「手仕事」について。

目次

手仕事は“職人の誇り”

かつて、住宅と言えば職人の技術を随所に目にすることができました。カンナ・ノミを使った真壁の和室、左官仕上げ、タイルで作られた浴室、無垢の木への塗装など、技術力を目の当たりにできる手仕事が少なからず、宿っていました。しかし、いまではそれらを施工できる職人の数自体が減少傾向にあることに加え、建材や設備は工場生産が主流となったこともあり、既製品を組み立てて収めることが当たり前の時代に。

そんな時代にこそ、手仕事の素晴らしさを伝え、その誇りをカタチにすることをサポートしていく必要があるとわたしたちは考えます。また、狭小住宅やコンパクトな暮らしは、限られた空間をいかに有効活用できるかアイデアや工夫の連続です。そこで、手仕事が持つ柔軟性や可変性が求められるのです。狭小住宅は手仕事の魅力を最大限発揮できるフィールドと言い換えることができるでしょう。

手仕事は“らしさをカタチにする”

工場生産による既製品の良いところは、同一のモノを優れた精度でいくつも大量生産できるところにあります。一方で、そこには個性が存在せず、画一的になるというデメリットもあわせ持っています。また、既製品はメーカーによって寸法が決められている(サイズのバリエーションも限られている)ため、1cm単位で空間を無駄なく活かし切りたい狭小住宅には、そもそも向いていないのかもしれません。さらに、注文住宅=フルオーダー住宅という特性を加味して考えると、オーナー(施主)と設計者、職人の三者それぞれのアイデアやイメージを持ち寄って生まれる手仕事の方が、相性がいいというのも納得。

手仕事は“空間デザインの要”

手仕事から生まれる空間の工夫こそが、狭小住宅のデザイン(設計)の要です。限られた空間を最大限生かすには、いままでないアイデアや工夫、そして創作が必要になります。ここからは、そんなアイデアをカタチにした手仕事の事例をご紹介していきましょう。

1枚800円のベニヤ板を使った空間デザイン

安価な材料を工夫して張ることで、価格以上の価値ある空間を生みだしました。

ホテルライクなサニタリー空間

既製品では決して表現できない、タイルを使ったホテルライクな空間。しかも、スペースは無駄なくシンプルに設計することで、使いやすさやお手入れのしやすさも意識しました。

アイアンのシンプルさと大工の技術が融合

シンプルなアイアンの吊り棒を使った階段。こちらも大工の手仕事がキラリと光る好事例です。暗くて圧迫感が生まれがちな階段まわりを工夫し、壁や蹴込みを抜くことで、視覚的な抜け感を生みだしました。これにより、人が通れる幅はまったく広げずに、広く見せることに成功しています。

デッドスペースの有効利用

わずかなスペースも無駄にせず、ワークカウンターを叶えた事例。じつは、手前側にある上階にあがる階段をデザインし直し、手仕事によってカタチにすることで、このワークスペースが誕生しました。

縦空間を利用した収納

一見すると普通の和室ですが、じつは畳の下はすべて収納として活用することができます。これも、既製品では叶えられない手仕事の魅力です。

狭小住宅の可能性を広げる『手仕事』の魅力が伝わったでしょうか? さらに詳しく見たい方は、ぜひ下記のリンクより事例をご覧ください。

「狭小住宅のつくり方」(①建ぺい率編)

「狭小住宅のつくり方」(②中庭編)

「狭小住宅のつくり方」(③容積率編)

「狭小住宅のつくり方」(④北側斜線編)

「狭小住宅のつくり方」(⑥可変性編)

「狭小住宅のつくり方」(⑦抜け感編)

「狭小住宅のつくり方」(⑧光と風編)

「狭小住宅のつくり方」(⑨収納アイデア編)

「狭小住宅のつくり方」(⑩空調編)

「狭小住宅のつくり方」(⑪間取り編・最終回)

狭小地の住宅の実例をみる

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