「エントランススペース」まとめ
2020.06.07
階段下まで土間スペースが広がる空間デザイン
土間で仕上げた床に造り付けのシューズボックスや、開放的な吊り階段が印象的な空間です。階段下は自転車や外で使用するアイテムが置けるスペースとして活用。吊り階段のアイアンに植栽をコーディネートすることで、日常に視覚的変化をもたらします。
こちらも階段下まで土間スペースを広く取りることで、自転車やベビーカーなども収納できる空間を確保。土間から床に上がる間にステップを設けることで階段の段数(階段室の面積)を減らし、蹴込みを省いたストリップ階段によってエントランスを広く見せる工夫をしています。
どちらの事例も敷地14坪の狭小スペースでの事例です。いかがでしょうか?土間空間を広げることで、機能性をもたせるだけでなく広々とした空間が心地よい、エントランス空間を演出しています。
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収納スペースをしっかり確保したエントランス①オープンタイプ
オープンタイプの靴箱、大工が手作りしたオリジナルの造り付けベンチは靴の着脱にも便利。お子さまが小さいので、外遊び用の自転車置き場としてのスペースも確保しています。
絵やオブジェの飾り棚、コートラックなどを設計し、使い勝手にとことんこだわりました。また、寝室とを隔てる壁に、高い位置に内窓を設置。抜け感を設けることで、エントランスと寝室、両スペースに奥行きを感じさせます。
エントランスの右側に、長く伸びた広々収納スペース。シューズは勿論、傘などのレイングッズやアウター、防止やバッグなどのファッション小物類も、見せる収納として絵やオブジェ・グリーンとミックスさせて、たっぷり収納、おしゃれな空間演出になっています。
2つ並んで家の形に三角にくり抜いた壁開口も、デザインのアクセントになっています。
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収納スペースをしっかり確保したエントランス②カバータイプ
面積5畳分のかなりたっぷり取られたエントランススペース。「靴を脱ぎ履きするだけの場所」だけでなく、「家族やゲストのコミュニケーションの場」としての役割も生まれました。収納部分を仕切りで少し隔てることで、エントランス正面はゲストを迎えるおもてなし空間に。
奥には,ウォークインタイプの収納スペース。家族全員分の靴はもちろん、ベビーカーやアウトドアグッズなどもスッキリと収めることができます。階段下のデッドスペースも有効活用している点が特徴です。
ベビーカーも自転車も、そのまま入れるスペースを確保したエントランススペース。外に出かけるときも、外から帰ってきたときも、どちらの使いやすさも追求しました。ウォークインで奥までアクセスでき、自転車やベビーカーも折り畳まずにそのまま収めることができます。
可動式の棚を備えたシューズクロークも、家族全員分の靴をすべて収納しても、まだまだゆとりある大容量の設計。普段は使わない趣味のアイテム等もあわせて保管が可能です。さらに、シューズクロークの向かいにはコートやジャケットを掛けられるハンガーラックスペースも確保しました。
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エントランスに手洗いスペース
以前「キッズスペース」まとめのコラムでもご紹介しましたが、エントランス側にあると嬉しいのが、手洗いの機能。従来は、インフルエンザ予防のために、冬場の話題として取り上げることが多かったのですが、コロナの影響で、これからは、暮らしのスタンダードなあり方に位置づけられます。
外からのウィルス予防対策には、菌を持ち込まないことが肝心です。帰ったら、すぐにアウターのほこりを払い、石鹸を使用してしっかり手洗い、うがいを済ませるのが効果的な予防法です。小さなお子さまの“手洗い習慣づけ”にも役立ちそうですね。
オリジナルの造作家具なら、大きなスペースを有せずとも、玄関カウンターの一角に手洗い器を設置することで、有効な手洗いスペースを設けることが出来ます。
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デザインコンクリートを用いたエントランス
「ビンテージ感のあるダークなカラーコーディネート」がご希望のご夫妻。そこでオススメのデザインコンクリートで、壁と床をモルタル調に。デザインコンクリートの特性である、水に強い撥水性は、まさにエントランス空間に最適な素材といえます。
バイクを飾る壁面には、アクセントでヘム材のシングルパネルをウォルナット色に塗装。抜け感を出すために、隣りの部屋につながる内窓をハイサイドにレイアウト。採光、通風にも役立ちます。
「靴の収納場所と背の高い物入れが欲しい」という奥様のご要望で、家族3人分のシューズ収納スペースと、床同様モルタル調の扉を使用したトールキャビネットを設置。これなら、レインコートなど、水に濡れたアイテムの収納にも、さっとひと拭きするだけで、安心です。皆様のご自宅にも、活用されてはいかがでしょうか。
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吹き抜けが心地よいエントランススペース
玄関ドアを開けると、目の前に広がる吹き抜け。1階から3階までひとつながりになった大胆な設計となっています。上部空間に対して大きく広がりをもたせることで、実際の畳数以上の広さを感じさせる効果が。
シューズボックスとカウンターは大工さんの手作りにです。底面を浮かせるデザインにすることによって、圧迫感を軽減した軽やかな印象に仕上げています。
ボックスと収納の空いたスペースは、愛犬の場所としてしっかり確保。階段下のデッドスペースを収納として活用するなど、無駄のない空間デザインにこだわりました。
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趣味を演出するエントランススペース
①ロードバイク編
ロードバイクが趣味のご主人のための、整備やトレーニングができる広い土間空間。自転車ラックや、シューズボックス、作業の合間に一息入れるためのコーヒーや雑誌を置けるカウンターなど、随所にこだわった演出が。全てオリジナルで製作しています。
土間からの冷気が室内に入ってこないよう、壁に引き込める建具もしっかり完備。休日には日曜大工も楽しめる空間となりました。
③サーフィン&アウトドア編
玄関ドアを開けた先に、たくさんの収納を備えたエントランススペース。アウトドアグッズを収納できるようデッドスペースを有効活用している点が特徴、階段下の収納はロールスクリーンで隠せるよう工夫しました。『一見さんお断り』のイメージにしたいというオーナーの意向をカタチにするため、床は「洗い出し仕上げ」に。
ご夫婦共通の趣味となるサーフィンが日々の生活に溶け込むよう、土間スペースの一部に、サーフボードが見えるラックを造作。手洗い機能も完備しています。冷気対策として設けたガラス戸の向こう側に、いつでも大好きなサーフボードが眺められる設計です。ボードだけでなく、かさばるウェットスーツやサーフギアも収納できるようデザインしました。
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まとめ
さて、今回の「エントランススペース まとめ」いかがでしたでしょうか?
「自分たちのお気に入りアイテムが暮らしのなかにディスプレイされることで、週末のサーフタイムに想いを馳せ、毎日の活力につながります。」というサーフィン好きのオーナー様の言葉を聞いて感じ入りました。
収納や手洗いの機能性や使いやすさはもちろん大切ですが、「エントランスペース」とは、内と外をつなぐ場所。私達を送り出し、迎えてくれる、そんな毎日の暮らしの「マイルストーン」の場所でもあります。だからこそ、それぞれが思い描く、心地よさを感じられる空間・元気になれる演出、そんなポイントもおさえたデザインにしたいですね。
「こんな暮らしがあったんだ」をもっと。