「リフォームと贈与のはなし」

2020.03.08

リフォームやリノベーションをご検討されているお客様から、お金に関してよくご質問されることがあります。それは、親や親戚が所有している物件をリフォームする際に、出資者(支払者)が異なるケースは贈与に当たるのかどうか、というご質問です。税務上、どのような取り扱いになるのかみてみましょう。

目次

親が所有する物件に対し、子どもが出資をしてリフォームしたい

お問い合わせのなかで、もっとも多いのが「親名義の物件を、子どものお金を使ってリフォームをする」パターンです。例えば、高齢の親が一人で住んでいる戸建てをリフォームまたはリノベーションして子世帯が同居する場合や、子世帯が同居はしないけれど高齢の親のためにバリアフリー改修をおこなうケースなどがこれにあたります。一見すると何も問題がなさそうですが、果たしてどうなるのでしょうか。

→子から親への贈与にあたる

子どもが親の所有物件に対して出資をしてリフォームをすることは、いかなる理由であれ、対象物件の価値を引き上げることにつながります。わかりやすく例えると、もともと1,000万円分の価値がある親名義の物件に対して、子どもが出資をして1,000万円分のリフォームをおこなった場合、物件の価値は「当初1,000万円」+「リフォーム1,000万円」=2,000万円となります。つまり、親は1円も出資することなく自分の物件価値が2倍になるのです。

これは、見方を変えると、子どもが親に1,000万円を渡して、親が1,000万円のリフォームをしたことと同じと捉えることができます。子どもから親への“贈与”とみなされる可能性が極めて高いと言えます。仮に、「出資した子どもが一緒に住むのだから問題ないのでは?」という意見があったとしても、同居の有無にかかわらず、金銭のやりとりが発生している以上はあくまでも“贈与”となりうるのです。

贈与にならないようにするには……?

親名義の物件に対して子どもが出資をする場合、必ず贈与にあたり、贈与税の支払いが必要になるかというと、そうとは限りません。上記のケースでも贈与にならないようにすることは可能です。それは、出資割合に応じた所有権を持つということです。

再度、先ほどの事例を振り返ってみましょう。1,000万円の価値のある親名義の物件に対して、子どもが1,000万円を出資してリフォームをする際、物件の価値は2,000万円になります。しかし、その半分(50%)は子どもが出資したリフォーム代の1,000万円分です。つまり、子どもはリフォーム後の物件価値(2,000万円)に対して、出資分(1,000万円)にあたる50%の所有権を本来持つべきです。そこで、親は子どもに対して物件の所有権の半分(50%)を渡すことで、出資分に応じた所有権割合になります。

実際には、もともとの物件価値やリフォーム後の価値は、額面通りにはならないため、税務署や税理士に相談した上で、適正な所有権割合に変更することが求められます。親子間でこのあたりの話し合いがきちんとなされていない場合、リフォーム後に税務署から贈与の申告漏れを指摘され、初めて気が付くというケースもありますので、十分に注意してください。(贈与税はあくまでも贈与を受けた側に対して課税されるため、上記のケースは親の方にその義務が発生します)

逆のケース(親から子どもへ)はどうなるの?

先ほどは親名義の物件に対して、子どもが出資をしてリフォームをするというケースでしたが、その逆になるとどうなるのでしょうか? 子どもが自ら所有する物件に対して、親が出資をしてリフォームをするケースです。そのまま考えると、こちらも親から子どもへの“贈与”となります。

「住宅取得資金の非課税特例」を使えば、限度額までは贈与税がかからない!

しかし、住宅取得資金のために直系尊属から贈与を受けた場合、非課税限度額までは贈与税がかからないという特例があります。制度のあらましは以下の通りです。

『父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります(以下、「非課税の特例」といいます。)。』

【国税庁HP】直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

住宅取得資金と聞くと新築ばかりを想像しがちですが、しっかりと増改築(=リフォーム)も対象になっています。一定の要件を満たすことが求められますが、この特例を利用できれば限度額までは贈与税が非課税になるため、ぜひ利用したいところです。なお、この制度はあくまで資金(現金)の贈与が対象となります。例えばマンションや戸建てなど、資金以外を贈与する場合は、この特例の対象外となるため注意が必要です。

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