必ず知っておきたい住宅用語「容積率」とは?

2023.06.18

こちらの記事では、家づくりをする前に必ず知っておきたい「容積率」について解説しています。ぜひ皆さまの家づくりの参考にしてみてください。

目次

家づくりの前に必ず知っておきたい「容積率」

東京の住宅事情を考えると、地方にくらべて敷地は狭く、建築条件も厳しいケースがほとんど。しかも、土地形状が正方形であることは珍しく、「狭さ」や「形状」に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。狭小地でも失敗しない家づくりのポイントをご紹介いたします。今回は家を建てるなら必ず知っておきたい用語「容積率」について。

容積率とは?

容積率とは、その敷地に対する建築可能な家の延床面積(家の中の床面積の合計)の割合のことで、都市計画によって各エリアそれぞれに定められています。100%のところもあれば、300%のところがあるなど、その数値は様々です。例えば、敷地100㎡で容積率が100%だった場合、延床面積は100㎡が限度となり、同じ敷地でも容積率が300%だった場合は300㎡となります。

ただし、敷地の面積と容積率だけを単純にチェックすればよいのではなく、ここに建ぺい率や斜線などのルールも加味して考える必要があります。容積率と同様に、それぞれのエリアには都市計画で建ぺい率も定められています。仮に100㎡の敷地で建ぺい率が50%だった場合、1つの階の床面積の限度は50㎡となります。これを2階建て(a)にすると延床面積は「50㎡×2階=100㎡」、3階建て(b)にすると「50㎡×3階=150㎡」となるのです。この時、容積率が100%の定めだった場合、(a)は延床面積が100㎡となるため問題ありませんが、(b)は150㎡=150%となり、容積率オーバーとなります。

では、容積率が100%だった場合、3階建てが建てられないかというと、そんなことはありません。1つの階の床面積が30㎡(建ぺい率30%)であれば、3階建てになったとしても「30㎡×3階=90㎡<100㎡」となり、容積率100%の範囲内となります。

しかし、容積率をクリアすれば『必ず』3階建てが建てられるかというと、答えはNOです。前述の通り、隣地の採光を確保するために斜線の規制が定められているエリアがあります。そちらもクリアした上で、初めて建てられる建物の形状が決まるのです。

「敷地100㎡・建ぺい率50%・容積率100%」の例

ここで、わかりやすいようにイラストを使ってご紹介しましょう。「敷地100㎡・建ぺい率50%・容積率100%」という条件のなかで、2階建てと3階建ての設計例を比較してみましょう。(※斜線の規制は考えないものとする)

上の図から見て取れるように、延床面積とはそれぞれの階の「床面積の合計」(オレンジ部分の合計)となります。2階建てと3階建てでは、床面積の合計(容積率)は同じでもまったく異なるプランになることがわかります。狭小地に魅力ある住宅をつくることは、階層の工夫(容積率の工夫)が不可欠です。右図のグリーンの部分はバルコニー(ベランダ)となっています。

わたしたちアースは、容積率の工夫のひとつとして、延床面積に含まれない部分「バルコニー(ベランダ)」「ロフト」「小屋裏収納」「吹き抜け」「備蓄倉庫」「宅配ボックス」などを設計に盛り込んでいます。あわせて、面積を割り引いて換算できる緩和措置のある「地下室」「ビルトインガレージ」などを用いて、限られた空間を最大限に活かすご提案をしています。

容積率の対象外となるケース5選

①2階部分に設けた大型バルコニー

②車庫の上を利用した蔵収納

③屋根空間を利用したロフト

④屋根空間を利用した小屋裏収納

⑤光を通す吹き抜け

容積率の緩和措置となるケース2選

①ビルトインガレージ

②半地下室

造作による容積増加ケース3選

①小上がり和室

②床下収納

③屋上・ルーフバルコニー

「容積の工夫」とすなわち「空間の工夫」であり、その空間の使い方が「個性・らしさ」につながっていきます。

容積率の注意点

最後に、容積率は市町村ごとの都市計画で定められていますが、そのまま適応されるわけではありません。実際には、建物の前面道路の幅によって左右されます。

もしも前面道路が12m未満の場合、まず以下の計算式から容積率を求めます。

「前面道路の幅×0.4(※)×100%=容積率」

(※)住居系用途地域の場合の法定乗数。非住居系(工業地域など)では0.6となります。

つまり、前面道路が4mの場合、「前面道路4m×0.4×100%=160%」となります。都市計画で容積率が200%と定められていたとしても、前面道路をもとにした計算式で求めた容積率と比較して、小さい方をその土地の容積率とすることが定められています。ちなみに、角地のように複数の道路に面している土地では、幅が広い道路を基準に計算します。

まとめ

今回の記事では、大切な建築ルールの一つ「容積率」についてご紹介させていただきました。容積率に含まれないスペースを上手に設計することで、限られた条件のなかでもゆとりある暮らしを叶えることができます。具体的なご相談をされたい方は、お気軽にわたしたちアースまでお問い合わせください。「こんな暮らしがあったんだ」というご提案をさせていただきます。

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