【江東区|築19年マンション】自宅で料理教室ができるオープンキッチンが中心にある暮らし

ご自宅で料理教室を開催している奥様が、たくさんのゲストを招くことができるようにレイアウトを再構築したマンションリノベーション。シチュエーションに応じて変化するダイニングテーブルを中心に、家族やゲストのコミュニケーションがより深まる暮らしを叶えました。

2018年
建物/マンション(築19年)
市区町村/東京都江東区北砂
施工価格/860万円(税抜)
施工箇所/全面改装
工期/2か月
延床面積/72.00㎡(21.81坪)

Before

築19年のマンションを購入後にフルリノベーション。もともと3LDKだった間取りは、レイアウトを変えて「3LDK+ウォークイン型の玄関土間」へと大胆にチェンジ。料理好きなご夫婦のために、キッチンの向きも変えてオープンな空間を創造しました。

3倍以上に拡張して大容量収納を備えた玄関土間スペース

十分な靴の量を収納できるシューズクロークや玄関を明るくしたいというオーナーのご意向を受け、玄関スペースは広さと使いやすさ、そして明るさを重視して設計。一般的にマンションの玄関は、おおよそ0.75帖前後(1.2m×0.9m)の広さとなることが多いのですが、今回は2.5帖ほどの広さを確保しました。玄関を広くとったぶん、洋室の面積が若干減りましたが、寝室として使用するため、就寝に十分な広さがあれば大丈夫というオーナーの考え方によって、この間取りが実現しています。また、共有廊下に面した窓から光を採り入れることで、玄関の奥も明るくなるよう配慮しました。
玄関収納は大工の丁寧な手仕事によって叶えました。キャビネット内部の素材にはシナランバー、天板はラバーウッド集成材、木製建具(扉)はシナ材で仕上げ、つまみや把手などを備えずにスッキリとしたデザインに。扉の上部には手がかけられるようにカットするなど、使い勝手も想像して細かな配慮がなされています。天板、扉はウレタンクリア塗装5分ツヤ仕上げにし、内部の棚材はリボス社の自然塗料を採用することで、水はじきとメンテンナンス性にもこだわりました。玄関収納前には壁付けの棚板およびフックを備え、靴だけでなく普段使うアイテムも置けるように設計。ジャケット、レインコートなども掛けられるよう、パイプハンガーも設けています。

内窓を通じて採光と風通しを確保した洋室

玄関から採り入れた光を洋室まで導くために、半透明のアクリル板を使った両開きの内窓を造作しました。障子(窓の枠)と開口枠にはタモ材を使用し、見た目も強度もしっかりとした堅牢な窓に。タモはモクセイ科の広葉樹で硬く反発力の強い木なので、力を加えてもたわむという特性があるため、頻繁に開閉や使用する箇所にオススメの材料です。

ナチュラルで清潔な空間を目指したトイレスペース

ナチュラルでシンプルなインテリアをテーマにコーディネートしたトイレ。お客様が好きな優しい色味のグリーンをアクセントクロスに採用し、収納棚の木材もそのままの風合いを活かせるよう、クリアの自然塗料で仕上げました。清潔感があり、ホッと落ち着ける空間に。

オリジナル洗面化粧台で毎日に彩りを

洗面エリアは既製品を使わず、造り付けで叶えました。AICAの一体成型洗面器は人造大理石でできているため、水に強くお手入れしやすい点が特徴。さらに洗面器とカウンターが一体となっているため、見た目の統一感も生まれました。洗面周囲の壁は水撥ね対策のために、フロアタイルを採用。収納には扉などは備えずに、あえてオープンなデザインに。タオルの畳み方にもこだわった「見せる収納」は、毎日の暮らしを楽しむ方法のひとつかもしれません。収納部分の両壁に店舗用の金具を取り付け、収納するアイテムによって棚板を任意の高さに変更できるように設計し、使い勝手にもこだわりました。

生徒さんと会話も料理も楽しめる対面式キッチン

キッチンは定期的に料理教室を開かれている奥様のご意向をおうかがいして、ペニンシュラタイプをご提案。リノベーション前は閉鎖的なキッチンでしたが、生徒さんと向かい合って料理を楽しめるようレイアウトを大胆に変更しました。天板の面積が広いキッチンをセレクトし、複数人が同時に調理を楽しむシチュエーションにも対応できるように。また、キッチンの背面収納(カップボード)は、玄関収納と同様の仕上げ塗装をしています。カウンター付近にはガス式オーブンや炊飯器が使用できるよう、ガスコックを備えている点も、料理好きなご夫婦の強いこだわりです。カップボードの上下にあえて空間を設け、抜け感のあるデザインに仕上げました。

大人数のゲストにも対応できる可変式テーブルを備えたダイニング

ご夫婦2人で食事をするとき、料理教室に生徒さんが集まったとき、親戚やご友人を招いたときなど、様々なシチュエーションに応じて変化できる折り畳み式テーブルをオリジナルで作成しました。オーナーのご要望を受けてインテリアコーディネーターが意匠や使い勝手などベースを考え、現場監督と大工がアレンジしながらカタチにした、まさにチームプレーが生んだ造作家具となりました。水平がキッチリと取れているということと、テーブルの脚の高さが合っていること、折り畳み式の天板が展開した際に動かないよう固定支持する板も水平垂直が取れていないとガタつきの原因になります。工業製品としてみると一見素朴な感じに思えますが、じつは大工の技術力が非常に試されるテーブルとなっています。その結果、キッチンからテーブルまでぐるりと人が囲めるスペースが生まれました。生徒さんは最大で8名まで参加できます。

ダイニングと同じ目線の高さでコミュニケーションをはかれる上がり和室

高さ40センチに設定した小上がり和室。一般的なイスの座面高さとほぼ同じにすることで、ダイニングにいる人と同じ高さの目線でコミュニケーションをとることができます。ヘリがない畳を「琉球畳」と呼びますが、琉球という名の通り、沖縄地方で栽培されていた、カヤツリグサ科の「七島イ」(しちとうい)という植物を使用した畳のことを琉球畳と言います。正しくは「琉球畳のヘリなし」になります。この畳を市松敷きに置いて、モダンな印象になるよう仕上げました。

来客の多い暮らしだからこそ重宝するゲスト専用洗面台

料理教室の生徒さんやゲストに気軽に洗面台を使っていただけるよう、LDKの一角に造作。洗面脱衣室は家族のプライベートな空間だけに、通す方も通される方も気を遣ってしまいます。洗面脱衣室と同じく、既製品ではなく、水に強いAICAのメラミンカウンターと好みのボウルを組み合わせたオリジナルで仕上げています。カップボード同様、下を浮かせたデザインにすることで、抜け感を演出しました。

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