【西東京市|26坪】2つの中庭と吹き抜けを叶えた、二人暮らし30代夫婦の猫と暮らす家。
東京都西東京市住吉町/N様邸
2021年
東京都西東京市住吉町
工法/木造軸組工法
総建築費/非公開
建築面積/34.84㎡(10.55坪)
仕様/低炭素住宅・耐震等級3・BELS☆☆☆☆☆
植栽を魅力的に活かす外観デザイン
外壁材に世界シェアNo.1の塗り壁材「sto」を用い、目地のないシンプルなデザインを追求した外観。中庭を囲む立ち上がり壁や軒裏に天然木を採用し、経年によって味わいが深まるアクセントをプラス。設計段階でパースを使いながら、駐車や駐輪スペースを何度もシミュレーションし、それにあわせて様々な高さの植栽を随所に配置。シンボルツリーをより魅力的に演出するための照明計画もおこないました。
玄関で過ごす時間をイメージして、たくさんのこだわりを
玄関ドアを開けると可動棚を備えたシューズクロークが広がります。家のなかに持ち込みたくないけれど、外に出しっぱなしにもしたくない、アウトドアグッズや自転車などを置ける十分な広さを確保しました。また、玄関で靴磨きをすることが好きなご主人のために、スツールの配置やメンテナンス道具の置き場なども、この場所での過ごし方をイメージしながら決めました。壁には消臭や調質効果のあるLIXILのエコカラットや、マグネットが付くマグピタボードを採用。さらに、雨で濡れたコートなどの一時置きを想定してアイアンバーを設けたり、廊下との仕切りとなる造作建具を目線の高さ以外を透明にして抜け感を出すなど、こだわりの詰まったエントランスになりました。
使い勝手とデザインを両立した廊下エリア
洗濯物の一時置き場となる造作の引き出しカウンターを備えた廊下の収納スペース。洗濯物を畳むだけでなく、小物を飾ったりもできるよう、様々な使い方を想定した設計に。こちらの壁には玄関とは異なり、細いデザインのエコカラットを採用。インターホンや照明のスイッチ類をニッチスペースにまとめて、スッキリとした印象になるよう心がけました。
明るく開放的な1階リビングプラン
廊下を抜けた先に広がるリビングスペースには、容積率に含まれない吹き抜けからたっぷりと自然光が降り注ぐ空間に。まるで1階リビングプランとは思えないほどの明るさが、この家の大きな魅力の一つとなっています。ソファに腰を下ろして上を見上げると、開放的な景色が広がります。壁には中庭の様子を感じられる窓を配置し、横方向への抜け感も意識したつくりに。2階に続くスッキリしたデザインの吊り階段スペースは、奥行きを感じられるように壁にグレーのアクセントクロスを採用することで、リビング全体をさらに広く感じさせる効果に一役買っています。
奥様がこだわったタイルが映えるキッチンスペース
キッチンは奥様がお気に入りのタイルを引き立てるために、白いカラーリングを採用し、鮮やかなコントラストがきいた空間に仕上がりました。キッチン上部には、レンジフードの高さに合わせた棚を造作。奥様の慎重に合わせ、手が届きやすい高さに設定しています。また、タイルの納まりを考慮した窓は、キッチン全体の統一感を出すために特注サイズで製作。キッチン横の家電収納&食器棚はダストボックスや調理家電のサイズを事前にヒアリングした上でデザインしているため、気持ちよくピッタリと収まる設計に。オープン型の収納スペースは目隠し用のロールスクリーンで、簡単に隠すことができます。
広いけど軽やかに見えるデザインカウンター
掃除機や柄の長い掃除用具が収納できるよう、一部をトール収納にしたカウンタースペース。床から浮かせたデザインにすることで、抜け感を演出し、十分な広さを確保しながらも見た目の軽やかさにもこだわりました。書類などを隠せるように建具を設けています。
植栽を楽しむためのパーソナル空間となる中庭
ダイニングキッチンに面した中庭は、建ぺい率の対象外となるスペース。デッキ材には素朴でどこか懐かしい雰囲気を感じさせる屋久杉を採用しました。植栽を入れるためにデッキのコーナー部分はカットしてあります。また、掃き出し窓には台風対策のシャッターに加え、西日対策としてLIXILのスタイルシェードを備え、堅牢性や快適性も叶えました。
造作で最適化されたサニタリースペース
キッチンでも採用したグリーンのタイルをあしらった、造作の洗面化粧台。タモ材の温もりとレトロタイプのスクエアシンクを組み合わせたオリジナルの洗面台です。見た目と使い勝手にこだわったミラーキャビネットも造作しました。洗面台の背面には、洗濯カゴを置くためのサイズも入念に確認して造作した収納スペース。浴室のスイッチを上手にかわしながら、セパレートタイプの収納をデザイン。カウンターとしても活用することができます。中庭からの心地よい光がたっぷりと入るサニタリースペースに仕上がりました。
家の中から自然を感じられる中庭空間
リビングから植栽が望めるよう、縦長の窓とクリアガラスを採用した中庭。隣家からの視線を遮りながら、リビングや浴室、サニタリーに光を届ける重要な役割を果たしています。建ぺい率にカウントされないという数値的メリットも。こちらもデッキ材には、屋久杉をチョイスしました。
読書からテレワークまで幅広い用途に対応したワークスペース
本が大好きなオーナーのために、たっぷりと収納できる書棚を造作。単行本や雑誌など、様々なサイズの本にあわせて棚の高さを変えられるダボレールを備えています。読書だけでなく、テレワークスペースとしても活用するため、入念な照明計画をおこない、スマートフォンから調光や調色ができるシステムを採用。時間帯に応じて自動的に光の強弱を調整するスケジュール機能を備えているため、寛ぎの時間や集中タイムなどシーンにあわせた照明との付き合い方を実現しました。デスク前の壁には玄関にも採用したマグピタボードを備え、お気に入りのポストカードや重要な書類を貼っておくことも可能に。
家族の気配が感じられる工夫をカタチにした洋室
ご夫婦が別々の部屋で快適にテレワークができるよう、もう一つの洋室にもカウンタースペースを設けました。それぞれの部屋から会話ができるよう、内窓を設けてお互いの気配を感じられるデザインに。長時間のデスクワークを想定して、座っても立っても仕事ができるよう、高さの異なるカウンターを造作している点もポイントです。長い時間をともに過ごすワークチェアは、デザインがお気に入りのハーマンミラーのシェルチェアをセレクトしました。カウンターの背面には、アイアンの吊り棒を使って造作したオリジナルベッドを造作。ロフトのような感覚で使うことができ、下部を収納として確保しています。また、ベッドにアプローチする箱型のステップは、収納を兼ねた実用的な階段です。
階下に光を届ける吹き抜けを、暮らしの中心に
天窓から採り込んだ光を1階のリビングに届ける吹き抜けは、容積率に含まれない空間として、厳しい建築条件をクリアした設計ポイントの一つ。吊り階段のアイアンに合わせて統一感を出すために、手すりとフェンスにも同素材を採用。室内物干しやコボットブレースなども同じブラック塗装で仕上げ、キリっと引き締まったインダストリアルな印象に。植栽を効果的に配置しながら緑視率も上げ、本能的に居心地のよい空間を目指しました。
ナチュラルな雰囲気に仕上げたトイレスペース
背面にキャビネットを設けたトイレスペース。ヘリンボーンのクッションフロアでナチュラルな雰囲気に仕上げています。また、コンパクトな手洗いスペースは、アクセントクロスとペンダントライトでお気に入りの空間に。
経年美化を楽しめるバルコニーデザイン
外観のデザインにあわせて、バルコニーの軒下天井はレッドシダーの天然木パネルで仕上げました。時間の経過とともに味わいが増していく、そんな経年美化も楽しめる仕様になっています。