減築リノベーションって何?メリットや注意点を解説します

2023.06.18

戸建てリノベーションのなかでも、床面積を減らす減築リノベーションが徐々に増えています。今回は、この減築リノベの魅力について解説していきます。

目次

そもそも「減築」って何?

みなさんは「減築」という言葉を耳にしたことはありますか?「増築」や「改築」は一般的ですが、「減築」はあまり耳慣れない言葉かもしれません。簡単に言うと、現状よりも小さくする工事をおこなうことです。例えば、2階建ての2階部分をなくして、1階建て(平屋)にするなどです。延床面積や容積率を減少させる工事のことを減築と呼んでいます。

減築リノベーションは、どんなときにする?

突然ですが、質問です。どういう状況になると「よし、減築しよう!」と考えるのでしょうか? 以下に減築を決めた代表的な出来事をまとめてみました。

①子どもたちの独立によって、夫婦二人暮らしになり、部屋が余っている。

②建物が古いので耐震性に不安がある。

③二人暮らしをはじめるために中古物件を購入した。

戸建てを減築するメリット

戸建てを減築することで得られるメリットは、「地震に対して強くなる」という点です。補強を入れることもさることながら、建物が小さくなることで重量も減るため、耐震にとっては好材料です。築年数の古さからくる不安感を減築によって解消することができます。もしも、リノベーションを検討される際に、地震への耐力が気になっている方は、減築という選択肢もあることを覚えておいてください。

減築を考える際の注意点

まずは基礎を確認しましょう。

減築をするにあたって、我が家は地震が起きた時に倒壊しないだろうか? という不安をお持ちの人もいるでしょう。1981年6月以前に建てられた建物は、耐震基準が現在とは異なりますので注意が必要です。1981年までは旧耐震基準となっており、基礎に鉄筋を入れたり耐力壁といった考え方がありませんでした。コンクリートの中に鉄筋が入っていない基礎は無筋基礎と呼ばれ、粘りがなく、クラック(ヒビ)が入りやすいという短所があります。ちなみに新耐震基準の基礎では、鉄筋をいれることが義務付けられていますので、1981年以降に建てられた(建てる)住宅は安心です。

この写真の基礎は、築51年の住宅の無筋基礎です。このように、鉄筋が入っていないと写真のようにひび割れが発生しやすくなります。基礎と土台がズレてしまうと家のバランスが悪くなり、最悪の場合、倒壊の危険性がでてきます。こうした状況でも、あまり大がかりな工事をせずとも基礎の強度を高める商品があります。鉄の数倍の引っ張り強度を持っている強化繊維(アラミド強化繊維)とエポキシ樹脂を併用することで、互いに連携し相乗効果を発揮します。無筋基礎の住宅は、基礎を補強し、構造バランスを正しく計算しなおすことで、数十年は安心して暮らせる住宅へと生まれ変わる可能性があります。構造計算(バランス)は、わたしたちが設計に用いるソフトウェアを使って計算することができます。これは建築基準法の認可をいただける構造計算ソフトです。このバランスとは「重心」と「剛心」が限りなく一緒になるように設計することが大切です。

重心……建物の重さの中心になるところ

剛心……強さの中心点のこと

揺れが起きて建物に水平の力が加わった時、その力は重心にもっとも強く働きます。しかし、建物の一番強い部分は剛心であるため、重心と剛心が離れていると、そこに「ねじれ」が生じて建物に損傷を与えてしまいます。

ソフトを使った構造計算では、ねじれが生じないよう耐力壁(筋交いを入れる壁、筋交いの入れ方、構造用合板を張る)などを計算して、重心と剛心ができる限り近くなるよう配置します。古い建物でも現在の建築の耐震基準に則ったかたちで耐震住宅化させていきます。このねじれが生じなければ、それだけ建物に与える損傷は軽減されます。耐震に関しては、経験や勘でこの辺に筋交いを入れておけば大丈夫! というものではなく、わたしたちはしっかりと計算の上で配置を決めた設計をご提案いたします。

まとめ

戸建てリノベーションを検討する上で、減築という方法があることをご理解いただけたでしょうか? ご家族構成や暮らしに対するご要望によっては、減築リノベもオススメです。具体的なご相談をご希望される場合には、お気軽にわたしたちアースへお問い合わせください。

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