吹き抜けを活かした築19年メゾネットリノベーション
東京都葛飾区柴又/M様邸
デザインコンクリートや黒板の壁などこだわりをカタチにしたメゾネット・リノベーションです。
2019年
建物/マンション(メゾネット)
市区町村/東京都葛飾区柴又
施工価格/非公開
施工箇所/全面改装
占有面積/94.14㎡
1.【11/18】解体工事
解体工事が始まりました。
置き床を剥がして床を20cmほど下げました。
2.【11/19】解体工事
キッチンの解体工事が完了しました。
もともと壁沿いにL型に備え付けられていたキッチンは、リノベーション後には対面式に変更します。
3.【11/22】解体工事
洗面脱衣室の撤去。
床から立ち上がっている管を傷つけないよう、慎重に解体を進めていきます。
4.【11/22】解体工事
こちらはメゾネット上階の洋室。
斜め天井に対して水平に照明器具が取り付けられていました。その下地もリノベーションには不要となるため撤去しています。
5.【11/22】解体工事
玄関のタイルも剥がしました。
ここは今回のリノベの最大の見せ場でもある「デザインコンクリート」仕上げへと変わります。お楽しみに。
6.【11/22】解体工事
リノベーションといっても、すべてを壊すわけではありません。
既存の内装材のなかでも再利用できるモノは、キレイに取り外して保管します。
「壊す箇所」と「壊さない箇所」を明確に切り分けることで、コストダウンにもつながります。
今回は、洋室扉と枠を残しました。
7.【11/25】先行配管
解体工事が終わると木工事の前に水道屋さんが先行配管をします。
写真の青の管とオレンジの管が水道管で架橋ポリエチレン管を使用しております。
架橋ポリエチレン管は耐熱性、耐食性、耐衝撃性、衛生的に優れております。
①耐熱性
管内が凍結しても、管・継手に破損などが生じることはほとんどなく、解凍後は通常に使用できます。
高温では95℃でも大丈夫です。
②耐食性
酸・アルカリ・耐薬品性などに優れた耐食性を示し、錆の心配がありません。
昔は鉛管をしようしていたので、数十年経つとサビが生じて、継ぎ手の部分から水がぽたぽたと漏れたりしましたが、ポエエチレン管はその心配はございません。
③耐衝撃性
おもり1㎏を5mのところから落としても、管に傷などの損傷はない。
こちらのマンションではポリエチレン管を使用していますので、長く安心して使える管です。
④衛生的
内面は滑らかで水アカや湯アカが付きにくく衛生的です。
8.【12/3】床が上がっている理由
現状のコンクリートの床から20センチほど床が上がっています。
これは、排水管の高さに合わせてこのような床になっています。
床を上げる分、各部屋はフラットになり、歩きやすくバリアフリーになります。床をあげることで、水廻りの移動は簡単にできます。
9.【12/3】床を上げるための下地材 (防振アジャスター)
こちらの写真は別現場になりますが、防振アジャスターというものになります。(床の上に転がっているもの。真ん中らへんの写真にある、コンクリート床と接している四角形のもの)
コンクリートに設置するところにゴムがついています。
このゴムが音の衝撃を吸収し階下に音の軽減をします。
マンションの床の仕上げ方は何種類かあります。
コンクリート直の場合の仕上げ方。
遮音フローリング床材か、またはカーペット。
もう一つは現在の仕上げ方のように床を防振アジャスターで上げて、フローリングを張る施工方法です。
床を上げることでフローリング種類の幅が増えますので、いい事があります。
10.【12/3】遮音フローリング
ちなみにこちらが遮音フローリング。
裏には衝撃を吸収するための材が施されています。
11.【12/3】
壁(躯体)に取り付けている木はアカ松という木になります。
よく私たちの間では束で発注しますが、そのときは「垂木」(たるき)をください。
というように材木屋さんにいいます。
垂木には太さが何種類かあります。
「30㎜×40㎜」と「40㎜と45㎜」があります。
12.【12/3】間仕切り
間仕切りです。
垂木を使います。
横に桟をいれることでより強化された間仕切りとなります。
13.【12/11】
水道管に戻ります。
こちら現在の水道管です。
ヘッダー工法というものになります。(トイレの床下にあります)
写真に各配管のところに、UB(浴室)・洗面・K(キッチン)などと手書きで書かれています。これはそこに給水給湯管が配管されていますよ。という印です。
写真左側から配管が一本来ていますが、それが大元になる管になります。
大元から一本で各設備器に配管しようとすると、ジョイント部材がたくさん出てきます。ジョイント部材から漏水が発生することが多々あります。
このヘッダー方式は大元から一度ヘッダーにつながれて、ヘッダーから各設備機器に配管されるので、とてもシンプルな配管になります。
メンテンスとしては、ヘッダーか設備機器のところですみます。
漏水したとしても、ヘッダーか設備機器のところを確認すればだいたい解決できるというやり方になっています。
14.【12/11】
洗面のアール壁の下地です。
垂木を数本細かくいれます。
15.【12/11】
下部を見て頂くと、わかるかと思いますが、合板をアールにカット。
中心付近にも同じように合板をカットして下地の準備できました。
きれいな弧を描けそうです。
大工さんの細かい作業になります。
この下地に、曲げベニヤというグネグネと曲がる
合板をこの下地に取り付けていきます。
16.【12/11】
床張が始まっています。
白いシートはペルゴフローリングを張る前の下地材。
不陸(でこぼこ)を拾わないものにするために敷かれるものです。
床暖のリフォームの際にはこちらの下地材が必須になってきます。
17.【12/11】
床材下地の続き。
廊下らリビングへと張られました。
そしてペルゴも着々と張られています。
ウォールナットきれいですね。
18.【12/18】木工事
さてさて、こちらの現場を担当している大工さんです。過去にリクシルメンバーズコンテストの準グランプリに輝いた作品を担当して頂きました。非常に丁寧な技術力と人当たりの良さが魅力です。本日は、キッチンの収納のベースとなる壁の下地を仕上げる予定です。追伸、ジャンケンが誰よりも強いので、我こそは、と思う方は、是非挑戦してみて下さい。
19.【12/20】
大工さん、そろそろ終わりに近づいてきました。
時間のかかる仕事へと入ってまいりました。
テレビの格子を加工中です。
間隔を間違えないようにすることと、大工さんの基本ではありますが、水平垂直を見ながら格子を組んでいきます。
この水平垂直が難しいのです。
・・・たぶんですが。
今度大工さんに聞いてみましょう。
20.【12/20】
起こした時にその出来栄えが楽しみです。
21.【12/20】
デコマドが取り付けられました。
廊下側の洋室を縮めて、その分玄関ホールを大きくとりました。
採光のことも考えデコマドを設置しました。
壁は自転車が掛けられるように下地を強化しています。
造作物が続きます。
22.【12/20】
図面とにらめっこ。
どの住宅にも設計図書というものが必要になります。
マンションで言えば、平面図、展開図、幹線図(電気配線・スイッチ・コンセント・専用コンセント・などが記入されている)、造作図(大工さんがつくるもの。詳細に寸法がかかれているオリジナルなものをつくります)、建具仕様、設備機器仕様、仕上表(インテリア建材は何を使うのかが書かれています)
23.【12/20】
パントリーの形が見えてきました。
それにしても大工さんは道具が多いですね。
24.【12/25】
格子を付ける前に、クロスが張りづらくなるので、
先にクロスを張りました。
クロスの色、格子のウォールナット色が
すごくいい雰囲気。
25.【12/25】
こちら、曲げベニヤになります。
外側は弧が大きいので、いいのですが
難しいのは内側の壁です。
前回下地のところの写真をアップしましたが、
下地の仕上がりはこのようにベニヤで仕上げます。
直角に壁ができるのと、アールに壁ができるのとでは
広がり感が全然違いますので、是非実体験をして頂けたらと思います。
こんなに広がりが違うんだ!
と感じて頂けます。
26.【12/25】
パントリーの下地である、側板が組まれました。
収納量たっぷり入りそうです。
パイン集成材を使っています。
仕上げはオスモ自然塗料のウォールナット仕上げ。
自然塗料とはなに?
すごくざっくりと申しますと石油を使っていない塗料のことです。
オスモ塗料の特徴
ひまわり油、大豆油、アザミ油、そしてカルナバワックス、カンデリラワックスといった自然の植物油と植物ワックスからできた人体、動植物に安全な塗料です。
木材の保護のために使います。
ペンキとは違うので、木目をきれいに出してくれる塗料です。
光沢がでる仕上がりがあまり好きではない
お客様には自然塗料おすすめです。
27.【12/25】
大工さんが加工した棚板。
洗面脱衣室に設けた棚板になります。
壁の隙間に食い込ませ棚板を取り付けました。
受け金具などを使わず、棚板が下がらないように
つくりました。
ここでもアールに加工しました。
アールばかりで大工さんも仕事が楽しいです。
ノミ、カンナを使う仕事は好きです。
28.【1/6】
今日から2020年スタートです。
宜しくお願い致します。
クロス職人さんの左手にはGLパテを乗せる台と右手にはパテヘラ。
クロス施工(壁紙)の奥深さをお話していきたいと思います。
クロスを貼る前に行う作業は、石膏ボードが仕上がったところは凹んでいるので、GLパテをパテベラで平滑になるように打ちます。クロスの材料や電気の光の当たり具合などを考えながらパテをうつので、経験が必要とされ、かつ仕上がりのほとんどがこの作業で決まります。下準備について最も重要な作業。最後にクロスの定着をよくするための「上塗り」をして下地の完成となります。
29.【1/6】
新しく張った石膏ボードにパテ下地を施しています。
ボードの継ぎ目、ボードを止めているビスにパテをしています。
30.【1/6】
塗装工事も進行しています。
前回説明させていただきました、オスモ自然塗料です。
造作木部のところにはウォールナット色を塗布しました。
まずはクロスと取り合いになる部分だけ先行しています。
31.【1/6】
リビング全体
パテが終われば張っていくのは早いです。
部屋がどんどん変化していきます。
32.【1/9】
クロス工事は下地が終わり、クロス生地を張る仕事へと進んでいます。
まずは上階の部屋から貼り始めております。
リフォームにはリフォームに適したクロスがおすすめです。
各メーカー推奨するリフォーム生地が用意されています。
前回下地作業のことをお話ししましたが、新規でクロスを張るところと、既存のクロスを剥がして張るところでは、仕上りが変わってきます。
リフォームでは、既存のクロスを剥がした時に、クロス生地の薄い紙が残ります。
剥がしているときに全てきれいに生地が残るわけではありません。
薄い紙が残ったり残らなかったりして、多少なりとも不陸を拾います。
その不陸を目立たせないようにするには、厚手のクロス生地を選択することをおススメしたいと思います。
デザインクロス、機能付きクロスは、薄い生地のクロスが多いです。ですので、下地が平滑になっているところで貼ると、仕上がりが良いです。
33.【1/9】
上階の部屋は完了に近づいています。
34.【1/9】
玄関入ってすぐの洋室。
玄関土間と洋室の間にある採光窓(内窓)
デコマド。
35.【1/11】
吹き抜けのクロス仕上りました。
吹き抜けなので、背が高く張るのには7尺の脚立と足場板を設置して張っていきました。
クロスとは全然関係ない話ですが、「尺」という言葉が出てきたので、ちょっと尺のことを。ご存知の方も多いかと思います。
「7尺」はミリにしますと約2121ミリです。
建築図面の表記は昔は尺(木造建築)でしたが、現在はメートル法で表記するよう法律が決まっていますので、メートルで記入されています。
木造もメートル表記になっていますが、尺をメートルにして表現されています。
「6尺」というと1820ミリと言った感じです。
畳にしますと、「1畳分」の長さがだいたい6尺です。
半間とかというと3尺です。910ミリです。
※たたみ1畳の大きさは、6尺(1820)×3尺(910)
伝統文化を重んじて「尺」は残っています。
36.【1/11】
洗面室です。
ウォールナットとクロスの白さがきれいに出ています。
37.【1/11】
リビングから洗面入口
もう少しでクロスが終わります。
その次の工程は、インテリア最後の工事。
コンクリートの仕上げとなっていきます。
38.【1/14】
クロスもほぼ終わりました。
洋室んも天井クロスはウォールナット柄のクロスを張りました。
クロスの技術はどんどん上がっています。
遠くからみたら本物の木と間違えてしまうくらいキレイです。
本日からコンクリートをデザインする仕事に入っています。
39.【1/14】
梁型のクロスの色は、全体のトーンを落ち着く感じにさせます。
タモ材を使った格子との取り合いもきれいに仕上がりました。
40.【1/14】
梁型、階段の蹴込み部分と踏み板と良い色あいに仕上がりました。
41.【1/14】
トイレです。
床はクッションフロアーで仕上げ、クッションフロアーとアクセントクロスがいい雰囲気ですね。
42.【1/14】
海外の体育館をほうふつさせるおしゃれな柄です。
(古木になった木です。)
43.【1/17】
格子の塗装仕上げです。
オスモ自然塗料 ウォールナットです。
塗布した後、ウエスでふき取ります。
ペーパーをあてて、木の面をきれいにし、1回塗布します。
乾いたらまたペーパーをあてて、塗布します。
その作業を繰り返すことで、木のさわり心地がよくなります。
44.【1/17】
玄関入ったすぐにある壁。
「ヘム材」
45.【1/17】
LDK入口の扉の塗装。
ウレタン塗装 艶消し仕上げ。
塗装屋さんも終わり、設備工事(水道・電気工事)と
細かい残工事となってきました。
いよいよ来週完成します。
46.【1/21】
玄関土間です。
左官工事
コンクリートにデザインをする前の下地段階です。
写真は、完成までお楽しみにしてください。
47.【1/21】
こちらは壁下地処理になります。
こちらの写真も完工まで楽しみしてください。
48.【1/21】
キッチンのところもデザインします。
下地処理中。
49.【1/24】デザインコンクリート
下地処理が終わりデザインコンクリートを施してます。
まずはレンガの表現から出していきます。
50.【1/27】デザインコンクリート
レンガの表現を出したら次に色を施していきます。
これは全て職人さんの手によって装飾したものです。
51.【1/30】完成
クリーニングも終わりお引渡しの日になりました。
52.【1/30】
約2ヶ月半の工事でしたが無事完工することができました。
ありがとうございました。